仕事があること Graceにとっての意味

 “アフリカは日本の30、40年後ろを走っている” この点において、最近INSHUTIの活動で感じることがありました。
 オンラインでお客様とルワンダの工房をお繋ぎするサービスを実施しているのですが、 6歳の女の子が、Graceに「お仕事は大変?」と聞いた時のこと。


 「いつも仕事をもらって感謝してるの」 「取り組む仕事が目の前にあるということは幸せなことです」と。
 これは、いつもGraceが口にしていることで「Yuko、お仕事ありがとう!」というので、私も「こちらこそお仕事ありがとう!」というのがいつものやりとり。
 でも私は、そのやりとりを繰り返すうちに、その意味をもっと深く想うようになりました。
 このやり取りはしょっちゅうあって、彼女は時に涙を流します。 感動屋さんで涙脆いなぁと思っていたのですが、彼女にとっては辛い過去を思い出している暇がないほどに働かせてくれる機会に感謝してくれていたのです。 単に、生活を支えるための雇用ではなく、戦争の辛さを和げる意味合いでの雇用にもなっていたのです。
  ものづくりをする方や、何かに没頭する時を思い出してもらうと、作業をしている間は他のことを全部忘れて集中できる感覚が分かると思います。 仕事があることによって、辛いことを考える時間を忘れられるのです。
 これはおそらく、日本の高度成長期にがむしゃらに働いてきた日本人ともやや重なるところがあるのではないかと思います。 戦争で負った心身の傷は一生癒えないかもしれません。それであれば、尚更その傷に寄り添う者がなければ一生辛いまま過ごす事になるんだろうと。
 自分は、戦後の日本を知りません。でも、ルワンダの人たちが傷ついた人生からレジリエンスを持って向上心と共に生きようとする“今”に 私も関わらせていただくことで日本の戦後時代をほんの少し想像することができているかもしれない。 比べられないけど、きっとがむしゃらに働くことが傷を感じる時間を少しは減らしてくれていたはず。
 誰だって、そんな人生からは逃げたい。今や平和ボケと言われる日本では関係ないまま生きられるし、生きている。
 戦争は絶対にいけない。そして戦争をしている国があることを私たちも関心を持って知り、食い止めなければいけない。 私はそのこともアフリカ布のパワー溢れる魅力をきっかけに気付いてもらえたなら嬉しいという密かな思いで商品を日本の人に届けていきたいです。

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