ジャネットのストーリー
ジャネットは現在64歳。
彼女の父親は牧師で、恵まれた家庭に生まれ、ジェノサイド(※)から逃げるため家族と一緒にコンゴに移り住みました。
父はジェノサイドの前に病気で亡くなり、母と姉妹はコンゴで亡くなりました。
ジャネットが姉妹二人と兄弟二人とともにルワンダに戻ると、生活は一変し、食べ物を得ることさえ難しくなりました。
彼女は48歳で結婚しましたが、夫は暴力をふるうような人だったので、離婚し、元の家族と暮らすことにしました。
そんなとき、ジャネットは安らぎを求めるため、コメラに通うようになりました。グレースが縫製を勉強したいかと聞くと、ぜひ、と答えた彼女はめきめき上達し、家族のためにもお金を稼げるようになりました。
夫との生活に疲れ切り、うつ状態で自殺も考えたジャネットでしたが、今ではすっかり心も落ち着き、明るい将来が見えています。
※ ジェノサイド(ルワンダ大虐殺)について
1962年の独立以前から、フツとツチの抗争が繰り返されていたが、独立後多数派のフツが政権を掌握し、少数派のツチを迫害する事件が度々発生していた。
1990年に独立前後からウガンダに避難していたツチが主体のルワンダ愛国戦線(RPF)がルワンダに武力侵攻し、フツ政権との間で内戦が勃発した。
1993年8月にアルーシャ和平合意が成立し、国連は停戦監視を任務とする「国連ルワンダ支援団(UNAMIR)」を派遣したが、1994年4月のハビヤリマナ大統領暗殺を契機に、フツ過激派によるツチ及びフツ穏健派の大虐殺が始まり、同年7月までの約100日間の犠牲者は80~100万人と言われている。(外務省ホームページより抜粋)